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| 2007年03月01日〜03日 | 1/1 |
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【 GEORGE NAOPE KANE HULA FESTIVAL IN HILO 】 ―Hula Le`a28号より抜粋 |
何か特別な空気に包まれていた。 ポツポツと雨が降ってきた。雨はハワイでは「ブレッシング」、祝福を意味する。僕は歓迎されていた。 だから、祈祷した。「ありがとう。もっと天の恵みを我に与えたまえ。コナの地よ。我コナのフラを踊る。 天の恵みを。天の微笑みを」なんて。知る限りのハワイ語でオリ(詠唱)なんぞ唱えてみた。 子供の遊びのようなもので、それこそデタラメのオリ。 むしろオリと言って良いものじゃない。それでも、雨足がどんどん強くなってきた。 そしてすぐ止んだ。たった5分間。5分間の土砂降りだった。次の日、衣装(微妙に違う色のシャツ) を選ぶのに迷ってた。どれにしようか。よし。これ。と決めた瞬間。部屋の中が白く強い光で覆われた。 うわっ。と思った直後、ホテルの目の前の海に雷が落ちた。ビックリし過ぎて心臓が止まりそうだった。 次の雷は、光ってから約30秒後に鳴った。目の前に落ちた雷が瞬間移動したみたいだった。 カラカウア王(今回のカヒコのテーマが彼にまつわる曲)が、『これにしなさい』と言ってくれているようだった。 今回の会場はヒロ市内。一向はコナ市内に滞在している為、何度も移動が余儀なくされる。その道往復5時間強。 カウー地区周りのロングドライブを選択したのは、様々なゲンかつぎの為。 しかし、一行がヒロへ向かへば、車に繋いだ僕のiPodからはアンクルジョージやアンクルジョニー・ラム・ホー、アンクルレイ・フォンセカ等々の ヒロ滞在のクム・フラ達が歌う曲が流れ、あるいはコナ方面へ車を走らせれば、アンクルエトアから習った曲が続々と流れ、 あるいはアンクル・チンキーや、アンクル・ウル等、僕等が向いている方向の先に存在するであろう方々の曲が流れる。 おかしいな。全てのジャンルをシャッフルしているはずなのだけど。ジャズやヒップホップ、J-ポップから演歌からレゲエが オールラウンドで4000曲以上入っているにも関わらず、そういった類は一切流れることは無かった・・・。 ヒロ市内に入り、カラカウアの銅像の前を通る。極めつけかと思うぐらいのタイミングで、カラカウアにまつわる数々の曲が流れる。 もちろん、僕が踊る演目も。しかも、違うクムが歌った同じ曲を、2連続で。車の中ではほぼパニック状態。どうしてこういうことが起こるんだろう。 ある人はそれを、「人が発するエネルギー」だと云う。マナに包まれたハワイだとか、エネルギーが充満している空気だとか、 恥ずかしいようで実はまるっきり感じたことはない。それでも、取り巻く環境や偶然の一致が続くと、何かを確かめるように納得してしまうのは、 ハワイだからだろうか。 そんな風にして超自然的、神秘的体験をしていても、時間は刻一刻と迫ってくる。かといって一日に何回も何回も練習する時間もなければ、 体力も無い。部屋に戻ったとしてもなかなかくつろげる時間は無い。僕は今回大事に大事にしていたハウを部屋のラナイに掛け、天日干しをする。 たまにオイルを塗り、裏返し、またオイルを塗る。ハウのスカートはそうやって黄金の輝きを魅せる。しっかりと手入れをすれば半永久的に使えるもの。 まるで野球少年が丁寧に丁寧にグローブ磨きをするように、僕はゆっくりとハウの手入れをしていた。綺麗になれよ。ハワイの太陽をいっぱい浴びて、 美しい輝きを放て。そんな風に、大事に、大事にしていた。 大会は二日間に渡って開催された。印象に残っているのは第一日目、僕の演目はカヒコ。準備をするには十分な程に前入りし、僕は一つ一つ丁寧に装着していく。 この色を着ようと思った瞬間に雷光に照らされた運命のシャツに袖を通し、「うちで買えば必ず勝つよ」と妙なジンクスを持った店で買ったスラックスをはく。 丁寧にトリミングし、自分でプリントしたウリウリのキャップを取り付け、イリマにククイレイをまきつけていく。 そしてハウのレイを着け始める。頭、手、足。演舞中にはずれないよう、しっかりと結び付ける。よし。準備はO・・・・・K?あれ?あれ??え??? スカートは?????????超、超、大事に大事に輝かせてたあのハウのスカートわ?! な!!な!!な!!スカートがなあああああああああああいい!!! そんな馬鹿な。え?あれ?うそ?まぢ??????!!!!!! 血の気が引いたのはこれで人生二回目。楽屋内を探しても、車内を探しても、ポケットの中を探しても、クム.カマイレの口の中を探しても、 禁煙の会場最前列に座ってタバコをふかすアンクル・ジョージの帽子に巻きついてやいないかなど探しても、やっぱりどこにも見つからない。 出番の時間は残り後30分もなかった。最悪の事を考えつつも(もう既に起こっているのだけれど)、 とにかくヘッドコーチとオアフ島から応援に来てくれていたアンティ・イレインにホテルに戻ってもらう。 ホテルまでは片道約7分。飛ばせば5分。会場から出たら左、一つ目の交差点を右、二つ目の信号を左、真っ直ぐでホテルに着く。単純だ。 どこをどうとっても迷うことはない。アンティも居る。大丈夫。きっと戻ってくる。だって、今回こんなにもハワイに歓迎されているんだもの。 待っている時間は5分が1時間ぐらいにも感じてしまう。とにかく信じるしかない。クム.カマイレはチャンティングの最終確認に入る。 僕の気持ちは上の空。15分後、「SHIN」と呼びかけてくる現地スタッフの女性。 Shin, u makaukau?! U havta go da backstage! (シン、準備はいい?袖に準備しててー!) こんな時ほどハワイ語混ざりのピジョン・イングリッシュに苛立ったことは無い。マーカウカウてなんやねん!こら!なんて、密かに思っていたなんてことは、 今でもクム.カマイレには言えない。 というわけで、一部始終の状況を説明し、どうにか演目を遅らせることは出来ないかと説得をする。 状況を理解してくれた主催者やスタッフ達が丁寧に対応してくれたことは、感謝してもしきれない。大会は一旦15分間の休憩に入った。生き延びた・・・。 しかし、20分経っても帰ってこない。15分経っても帰ってこない。一体どうしたんだ?!急ぎ過ぎて事故でもあったんじゃないか? 携帯に電話をしてみる。ヘッドコーチに電話しても出ない。アンティに電話しても出ない。どうなっているのか。不安を通り越して、怖くなってくる。 迷うにしたってそんな迷うことなんて・・・・・・・・・・
思い出した。 二人が人類最強にして極度の方向音痴だったということを・・・・・・・・。 ここからはあまり記憶がない。二人は会場から出た直後から既に迷い始めていて、とんでもない方向に向かっていたこと。 とにかく現地スタッフと電話で道案内をしていたこと。ようやく着いた頃には僕が最後の競技者だったこと。 アンクル・エトアに頭を叩かれたこと。アンクル・ジョージに頭を叩かれたこと。アンティ・イヴァラニに「二度目はないよ?」とボディブローを喰らったこと。 審査員のカヴァイカプオカラニ氏が妙にチャネリングしてたり。何だか全て曖昧なのだが・・・。 とにかく、とにかく、とにかく。無事に踊れたこと。そして幸いにも、それでも、そんなことがあったにも関わらず、 準優勝という名誉を授けてくれたこと。日本人である僕が、ハワイの大会で、現地のカネ達と競い合えたこと。 今では、全てに感謝をしている。ハラウのクプナ達の応援やワヒネとの繋がり、そして快く声援を送ってくれたカネ。 一緒に付き合ってくれたコロヘ木下氏にその奥様でもあるNANIのり子ちゃんはサポートしてくれた、 マスター仁村氏に佐藤真砂美さんは忙しいスケジュールにも関わらず調節してくれた。苦手なハワイ語も、こんな僕にドヤされながら・・・。 そんな、そんな、こんな、あんな、全てに感謝しております。 憎たらしいハワイ語で言えば、 MAHALO IA `OUKOU (みんなありがとうございました) |
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